織田信長は本能寺の変で明智光秀に討たれますが、基本的にどんな合戦においても勝ち続けてきました。
浅井長政が裏切った朝倉攻めでは敗走していますが、後にきちんとリベンジしています。
勝ち続ける人間とはどんなメンタルなんだろうか?そんな思いをもっていたところ、偶然一冊の本を知る事ができたのでご紹介します。
勝ち続ける意思力 -梅原大悟著- と織田信長
偶然手に取った本「勝ち続ける意思力」は有名格闘ゲーム「ストリートファイター」シリーズの世界チャンピオンで、プロゲーマーとして長年稼ぎ続けて来た実績がギネスに登録された梅原大悟さんの本です。
織田信長と同様な「何か」を感じたので、本の中で書かれている内容を引用させてもらい、その関連性を読み解いてみます。
迷ってきた絶対量
センスや運、一夜漬けで勝利を手にしてきた人間は勝負弱い。僕はこれまで頭の回転が速く、要領が良く、勢いに乗っていると思われる人間と何度も戦ってきたが、ただの一度も負ける気はしなかった。それはなぜか。彼らと僕とでは迷ってきた量が圧倒的に違うからだ。
織田信長は天才で運に恵まれて来ただけの戦国武将ではなく、どちらかというと逆境の中でも自分の主義主張を曲げず最後まで一貫した考え方をもっていた人物です。
特に金で兵を雇う考えは育ての親「平手政秀」が猛反対し、考え方の相違から織田信長は切腹させています。
このときに迷いが無かったはずがありません。
心のトレーニング
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筋力をつけたければ筋力トレーニングを、痩せたければそれなりの運動を、人より強くなりたかったら人一倍練習しなければならない。どれだけつらくても、それ以外に道はないと思う。心だって、鍛えなければ強くならない。
織田信長は逆境の中を突き進んでいきましたが、心を鍛え続けていたからこそ耐えられたはずです。
戦国時代は下克上が当たり前で、自分の家臣の裏切りを何度も経験している織田信長。
心を鍛えていた方法を教えて欲しいところですが、残念ながらそういった情報は残っていませんね。
自分を高めるということ
自分を高めるということは、何かを編み出したり、経験を積んだりすることで、自分の引き出しをいっぱいにすることではない。より新しく、かつ良いものを生み出し続ける姿勢こそが、はるかに大事なことではないだろうか。
まさに織田信長が貫いた主義主張が、「新しく、良い物を生み出す姿勢」でした。
楽市楽座や関所の廃止などは自由経済を発展させ、城下町を生み出したのも織田信長です。
金、物、人の流通を積極的に行った織田信長は自分を高めるだけでなく、「日本の国力を高める」ために新しく良いものを生み続けたのですね。
壁
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失敗をせずに前進できることなんてほとんど稀だった。何かを恐れ、回避し、ごまかしながら前進したとしても、上に行こうとすれば、ほとんどの場合回避したはずの壁にぶち当たらざるを得ない。ぶち当たるというか、その壁を越えなければ結局上にいけないような仕組みになっているのだと僕は感じている。
壁ばかりだった織田信長ですが、ことごとくその壁を乗り越えています。
桶狭間の戦いでは「一点集中」と「味方への情報操作」で乗り越え、朝倉攻めで浅井長政の裏切りがあって敗走したときは「兜、鎧を脱ぎ捨て一騎で逃げる」という当時ありえない逃走をしています。
壁にぶちあたっても常識外の対応をしてきたのが織田信長です。
丁寧に慎重に基本を学ぶ
何かを身につけたいと思うのであれば、丁寧に、慎重に、基本を学ぶべきだ。下手なうちから独自の取り組み方をしたり、自由に伸び伸び練習したりすると、最終的に底の浅い仕上がりになってしまう。
織田信長は「大うつけ」と言われていますが、若い頃から馬術や兵法の基本をしっかりと学んでいます。
兵法については多くの先生を呼んで勉強していたようなので、他の戦国武将よりも基本はしっかりしていたと考えられます。
考えることは苦しいこと
考えることを放棄して、ただ時間と数をこなすのは努力ではない。それはある意味、楽をしているとさえ言える。頭を使って考えることのほうが苦しいから、それを放棄してガムシャラに突き進んでいるのだ。
織田信長ほど考えて行動し続けた人はいるのでしょうか?
合戦の戦術だけでなく、楽市楽座や関所の廃止などの経済施策、足利義昭を奉じて入洛した政治施策など、間違いなく戦国時代の戦国大名の中では郡を抜いて考えているのが織田信長です。
生きる事は成長し続けること
僕にとって生きることとは、チャレンジし続けること、成長しつづけることだ。成長を諦めて惰性で過ごす姿は、生きているとはいえ、生き生きしているとはいえない。
織田信長にチャレンジしなかったときはあったのでしょうか?
私たちが織田信長を好きなのは人生すべてにチャレンジし、そういった人生を自分たちも送りたいと思っているからかもしれません。